展覧会「200年をたがやす」|CULTIVATING SUCCESSIVE WISDOMS

【レポート】押入れに眠る秋田の伝統的工芸品から知る、社会の移り変わり

日々の生活の中で使われる機会が少なくなってきている伝統的工芸品。
展覧会「200年をたがやす」工芸分野では、ご家庭の押入れに眠ったままの秋田の伝統的工芸品を募集し、次の使い手につなぐ試みを行なっています。

「広報あきた」で募集の情報を知り、工芸品を届けてくださる方々が。
それも、1つや2つではなく、たくさん。

秋田市にお住まいの女性は、終活の準備中。
一軒家からマンションに引越しをする機会を捉え、数十点の工芸品を届けてくださいました。

退職記念、誕生記念と刻印されたお盆や器。
盆や正月に大勢の親類が集まる際にと準備された沢山のお椀。秋田川連塗 寿次郎の佐藤さんによれば、3.9寸と少し小ぶりのお椀は、かつて振る舞いの席で良く用いられたそう。

醤油屋さんに醤油を買いに行った時に持参した桶。一升瓶ではなく、この桶をもっていくと少しおまけをしてくれたとのエピソードも。

実演・ワークショップで文化創造館にお越しくださった職人さんが、集まった工芸品を見ながら「これはイイやつ!」等と鑑定しながら、かつては工芸品が売れに売れて、生産が追い付かずに職人が寝ずにつくっていたという話を聞かせてくださったり。

1つ1つの伝統的工芸品を手にとって語り合う中から、社会の変遷を学ぶこともできました。

会期の最終日9月26日には、会場に並ぶ工芸品の中から、気に入ったものがある方にご参加いただき、次の使い手を決めるイベント「未来の使い手オーディション」を開催予定。

みなさんのご自宅で眠っている伝統的工芸品がありましたら、ぜひ文化創造館にお届けください。

募集は9月20日まで。募集内容の詳細は、下記のリンクをご確認ください。
https://arts-akita.net/200years/presentation/kogei-product/